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えびすさまとお正月と申しますと、関西では一月九日から十一日の「十日えびす」が思い起こされます。当社を始め各地のえびすさまでは、年頭にあたって商売繁盛、家内安全を願う人々で境内は埋め尽くされます。特に当社の「開門神事」は、厳しい「忌篭り」という斎戎の時間から吉兆の売り子の声が飛び交い、大勢のご参詣者で振わう時間へと、一瞬にして劇的に転換するダイナミックな神事です。
えびすさまの信仰が、土地により商いの神、漁業の神、田作りの神或いは市の神など多様な様態がとられていますように、お正月を迎えてのえびすさまのお祭りも各地でさまざまです。長野県では正月三日と二十日がえびすさまの日です。神棚とは別にえびすさまをお祀りしている「えびす棚」には太くて鯛の形をしたタイシメと言われる見事な注連縄を掛け、傍らには掛け軸を、ご神前へは赤飯、お頭付きの魚や御神酒などを進めます。えびすさまは左利きだからといって左膳でお供えするところもあるようです。
次のようなおもしろい話しもあります。えびすさまが家の中でお祀りされている場所は、北の間だとか暗い所だそうです。だからえびすさまも「南向きの暖かな部屋がいいなあ」とおっしゃるそうで、その時には「お金を稼いできて下さい。そうしたら南向きに祀ってあげましょう」と答えるそうです。えびすさまは正月に仕事始めに出られ、十一月二十日の恵比寿講の日に帰って来られるのです。また氏神様等をお祀りする神棚には魚の頭を供えますが、お勝手の隅のえびす棚には串に差した尾っぽしかお供えしないところもあります。これは、「早く神棚へ祀ってもらいたいならば一生懸命働いて下さいな」というメッセージだそうです。またある地方では、「これだけしかお供えできませんので、もっと福をお授け下さい」というアピールだとのことです。
このような多様な思いを込めてお祈りをされるえびすさま・・・・・・今年のお正月もお忙しそうです。
年頭にあたりましてご崇敬各位の益々のご隆昌とご健勝をこころよりお祈り申上げます。
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