西宮ヨットハーバー眼下に臨む小高い森の中に当社の末社、住吉神社は鎮座しています。航海の守り神様として知られる同社に於いて、平成十七年七月十四日、境内整備の成功をお知らせ申し上げる竣工奉告祭が斎行されました。

 顧みれば、去る平成七年一月十七日、突如として襲った阪神淡路大震災により、近畿一円は甚大なる被害を受けました。住吉神社も例外えはありません。修理中の本殿は作業が中止され、拝殿・弁天社は崩壊、また手水舎も柱が傾くなど、大きな被害がありました。のち同七年四月に本殿の修理が完成し、平成十二年十二月には拝殿が再建されましたが、弁天社の再建は見送られるなど、まだまだ大きな傷跡を残しておりました。

事業記念碑
 時を経て平成十七年。当年は住吉神社が勧請された文化二年(西暦一八〇五年)からちょうど二百年目に当たり、それを記念して、「住吉神社境内整備事業」が発足されたのです。

 四月十二日、関係者参列の下、事業の成功、工事の安全を祈る起工式が執り行われ、翌五月から工事が開始されました。そして二ヶ月後の七月十日、無事に工事が完了いたしました。
 七月十三日の午後七時三十分、これまで住吉神社本殿に仮遷座されていた弁天社のご神体を新社殿に御遷しする正殿遷座祭を斎行いたしました。当日は夕方から天候が心配されていましたが、本降りになることもなく、無事執り納めることが出来たものも、大神様の恩頼でありましょう。

 そして翌七月十四日、関係者百十三名参列のなか、住吉神社境内整備事業竣工奉告祭が斎行されました。

 祭典の後は宮司、西宮市長山田知氏、西宮神社総代蓮沼亮三氏、住吉神社世話人代表油野博氏により顕彰碑・奉納絵馬の除幕式が行われ、ご参列の方々から温かい拍手を戴きました。続いて、山田西宮市長からご祝辞を戴き、また、宮司から顕彰碑の解説を行いました。

 午後からは場所を西宮神社会館に変えて直会が開かれ、同会では奉納絵馬の作者である吉田伊佐氏より絵馬の解説が、建築士の木村嘉三郎氏からは境内整備の経緯について説明を戴きました。

 本事業では、弁天社の再建のほか、手水所・ベンチ・手すりが改設され、事業記念碑・当舎屋金兵衛顕彰板・住吉

住吉神社由緒記
神社由緒記が新設されました。また繁茂していた草木が整備され、境内全体が広く明るくなったようのも見受けられます。

 「ベンチに腰を掛けて、ヨットハーバーや西宮大橋をのんびり眺める。」神社の境内でありながら公園のようにくつろげる空間となりました。皆様も生まれ変わった住吉神社にご参拝ください。

 なお、社務所・倉庫も改装される予定です。
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復興した弁天社
 そもそも住吉神社の創建は、西宮に生を受けた米穀商当舎屋金兵衛(元文五年=西暦一七四〇年生まれ)の志より起こるものでした。金兵衛は阪神間の海上交通が整備されていないのを嘆き、西宮港湾の川から絶えず流出する土砂、あるいは波風から西宮の浜を守り、また、家業の物資運送に水運を利用することを考え、築州建築を計画しました。寛政(西暦一七八九〜一八〇〇年)の頃より寄付を募り、享和二年(西暦一八〇二年)に着工しましたが、なかなか事業は進まず、難行を極めたようです。そこで文化二年(西暦一八〇五年)工事の成功を願い、海上交通の守護神、住吉神社が建建されました。以後、工事は順調に進み、文政年(西暦一八一八〜一八二九年)頃に完成しました。


>>平成十八年 夏号:住吉神社境内整備事業/続報


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