二月四日暮方より大広間に三百六十燈を灯し、平内太十郎の得意繁昌、海上安全、家内安全の御祈祷を執行する。木札は東御殿に献上。平内他五六人の参詣がある。油六升と御祈祷料金百疋を上げられる。

  木札は次の通り
 正月二十三日、鈴講中五十軒の内二十七、八人が参拝される。

 酒は講元より持参、肴は次の通りであった。

   組肴  数子、牛蒡             たこ、鳥貝、ぬさ、大根
   組肴  蒲鉾、厚焼玉子、椎茸  濱焼  御掛鯛
   吸物  當年者時節柄ニ付なし      小あい、とうふ
       塩鯛昆布 椎茸      焼物  うるめ

 廣田社境内も同じく雨天になると水が溜まるので、八月九日より晴天十日の間砂持にて地面を均す。廣田村、中村、越水村宮町よりそれぞれ囃子車を引き米銭を献上する。享保年中の御所替以来の賑わいと村人は申している。また今在家町より金一両、鹿ケ口水車仲間より銭十貫文、段上村上下大市村より金三朱づつ、西宮釘貫町中之町鞍掛町三町より金二両が献納される。

 十二月朔日、廣田社の屋根替えも終わり上棟を行う。四ツ時前より神主始め出勤し、五社の箱棟に大工より日の丸扇、御幣を立て、中の御殿御拝屋根へ足板をして新薦を敷き拝殿にある五本の幣台に榊五本を添えて神前に祭る。その前に御鏡餅五重蒔餅などを供える。
十月六日
 大坂配下久世内記は昨年から長病のため職務を勤めることができないので、その弟新吾に役義を仰せ付けられるように願い出があった。これを社役人辻大炊が神主へ申出たのでこれを聞届ける。目見のため新吾は神主家へ参上。神主は不快のたため本来狩衣着装のところ略裏付上下にて面会する。のし昆布を遣わし兄内記の跡役を申付け御社法の通り大切に勤めるよう申渡す。免許は兄の免許を持参した節に渡すことを申し付ける。
 江戸支配所役人正木采女が不埒であるとのことで、采女兄の伊勢から采女退役、伊勢再勤の願が社役人辻大炊、祝部大森主水両名宛に書状が届く。取込中につき、来る正月中には返事をすると返書する。

 十月十九日、境内の芝居小屋を取り払うとの届けが小屋主の深江屋兵左衛門から出される。尼崎へ売るとの由。

 尼崎魚問屋より下役の尾張屋忠兵衛と魚崎長七両人が御掛鯛(大鯛三掛、中鯛四掛)を持参する。酒肴四五種、吸物、汁、平にて飯を出す。請取書は杉原に認め、上包みに水引を掛けて渡す。
一、神仏信心之事、平生怠り申間敷候。別而氏神稲荷神、江之島弁財天、西宮大神宮、大黒天家業繁栄開運を祈り可申、并ニ火防盗賊除者秋葉山三峰山妙義山信心可致候(略)

 また同家の奉公人の「休家之定」の休日の一日に「十月 蛭子様」が 記されている。

                全国エビス信仰調査報告書
                「えびすのせかい」所収
                「桐生商人とえびす信仰」 亀井好恵

 近年は諸品高値となり、特に昨年当年と米高値となっている。また今年は散物(賽銭)、御像札が大いに少なく台所事情も難しくなってきているので、恐れなから御神前への御膳御肴も倹約し、社中寄合って御神事の節も常々の日用についても倹約する事を申し聞かせる。神主一人では行届かないので、この倹約の段を願うことを一同に申渡す。関屋守へも同じく申付ける。これは先三ケ年の事である。


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